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初めて Raspberry Pi を購入したので、初回設定時の覚書を兼ねて製品レビューをしてみたいと思います。
購入したのは、Raspberry Pi3 Model B本体の他に、ケース、ディスプレイ、電源アダブタ、MicroSDカードの全部込み組み立て完成済セットです。
MicroSDカードには最新のRaspberry Pi用のOSであるraspbianもプリインストール済なので、電源を入れるだけですぐに起動しました。
製品レビューの予定ですが、まずは、Raspberry Piの説明から順を追っていきたいと思うので、製品レビューはだいぶ後の方になると思います。
とはいえ、入手製品と入手先くらいは最初に紹介しておきましょう。
目次
今回購入した製品と入手先
私はAmazonで購入しました。Raspberry Pi専門店舗です。
中国系の販売業者のようですが、今のところいくつか業者に問い合わせたところ明快な回答が得られているので安心です。
販売店舗wiwiston
製品詳細
■Rapberry Pi 3 Model B (ボード本体)
■アルミ合金製ケース
■3.5インチ抵抗式タッチスクリーンモジュール(SpotPear社製 解像度320*480 / Raspberry Pi 2 3 B/B+/A+ /A/B対応)
■MicroUSB-AC電源アダプタ(スイッチ付 / ケーブル長1.5m / 5V/2.5A / PSE取得済)
■16GB MicroSDカード(Class10 / Kingston社製 ボードに装着済)
■OSとしてRaspbianプリインストール済
のパーツからなる組み立て済完成品です。
Raspberry Piについて
開発
日本ではラズパイとも呼ばれ親しまれているRaspberry Pi(ラズベリー パイ)は、イギリスのラズベリーパイ財団によって開発されました。
その開発目的は「学校で基本的なコンピュータ科学の教育を促進すること」です。
Raspberry Piとは
その開発目的から廉価で供給できるようARMプロセッサーが搭載された「超小型コンピュータ」です。
名刺サイズ大の小さな1枚の基板に、CPU/GPUや、パソコンを構成するハードウェアの大半が詰め込まれています。
そのため「シングルボードコンピュータ」とも言われます。
HDMI/USB/LAN等のインターフェイスを利用することが可能です。ストレージの役割を果たすのはMicroSDカードです。
Raspberry Piを始めるには
Raspberry Pi本体の他に、
■OS(WindowsやMacのようなパソコンを動かすソフト)をインストールする必要があります。
※ラズパイは非力なCPUなのでLinuxベースの専用のOSが多数用意されています。
■ストレージとなるMicroSDカード
■ディスプレイ(HDMI接続/DSI接続他)
■MicroUSB/USB電源アダブタ+ケーブル
■キーボード、マウス(USB接続または一部Bluetooth接続も可能)
■LANケーブル等 です。
Raspberry Piでできること
Raspberry Piを使用して出来ることは、大きく分けて3つあります。
機器本体の組み込み
般的な使い方が、組み込みLinuxとしての利用です。組み込みLinuxにはマイコンボードが必要です。
小型で廉価なRaspberry Piはその目的にぴったりです。例えば、ロボット・電子機器・医療機器等に組み込まれて利用されます。
IoTに利用
今注目の「IoT」に欠かせない存在です。
HDMI出力、USBポート、LANポートを標準で装備しているので、様々なデバイスに接続して、ネットワーク環境の構築・仮想サーバーでの数値集計や制御を行うことができます。
特にセンサーなどでは既に大活躍です。温度センサー、加速度センサー、感知センサー等と組み合わせて、冷蔵庫、電子レンジ、エアコン、車、工業用機械、監視カメラ等に利用されています。
アプリケーション構築
Raspberry Piをウェブアプリケーションサーバとして構築することができます。
非常に廉価で、構築が可能です。加えて、サーバーの消費電力も3.5wまで抑えることが出来ます。
UPSのバッテリーで電力を供給することも可能で、停電時でも2時間以上使用することが可能です。
以上、汎用性が高く、性能こそ最新スペックのコンピューターに劣るものの、コストパフォーマンスと自由度の高さにより、研究開発案件でも多く使用されています。
製品レビュー
製品概要
最新の「Raspberry Pi 3 Model B」をベースに、3.5インチLCDタッチモニター、ストレージ(MicroSDカード/脱着可能)、アルミケース、電源(MicroUSB-AC電源アダブタ)、OS(Raspbianインストール 済)の組み立て済完成品セットになっています。キーボードを自分で用意するだけで、すぐにラズパイを楽しむことが出来ます。
モニターを大画面で楽しみたい場合は、HDMI接続で大画面モニターを接続することも可能です。モニターがタッチスクリーンでない場合は、USBポートにマウスも接続すれば準備OKがです。
セット内容
アルミケースには既に3.5インチLCDタッチモニターとRaspberry Pi 3 Model Bが組み込まれた状態です。
MicroSDカードもRaspbianOSがプリインストールされた状態で装着済です。
ゴム脚だけ自分で接着すれば完成です。
☆Rapberry Pi 3 Model B (ボード本体)
☆アルミ合金ケース(CNC加工)
☆3.5インチ抵抗式タッチスクリーンモジュール (液晶パネル)解像度320*480
☆5V/2.5AマイクロUSB電源アダプタ(スイッチ付ケーブル長1.5m/PSE取得済)
☆MicroSDカード(16GB Class10 /ボードに挿入済/SDカードアタッチメント、ケース付属)
☆液晶パネル用タッチペン
☆OSとしてLinuxベースのRaspbianプリインストール
☆タッチパネル用+ドライバー
☆ゴム脚4つ
☆インストールガイド
外観
ディスプレイは3.5インチと小さいですが、タッチパネル式なので付属のタッチペンで操作することが出来ます。
アルミケースは、一方の側面にMicroUSBポート、HDMIポート、3.5mmジャックがあります。
MicroUSBポートは電源専用です。
3.5mmジャックは音声とコンポジット出力のコンボになっている珍しいものです。
HDMIはディスプレイを接続しますが、この製品はディスプレイ付きですのでスグに使う必要はありません。
もう一方の側面にLANポート(10/100BASE)、USB2.0ポートが4つあります。
ストレージ用のMicroSDカードスロットは底面からにあります。
底面には付属のゴム脚を4つ貼り付けて使います。
よくあるraspberry Piのケースは、40ピンのGPIO用に開口部がありますが、このケースには用意されていません。
Rapberry Pi 3 Model Bその他のスペック
CPU:Broadcom BCM2837 1.2GHz 64-bit quad-core ARMv8 Cortex-A53
メモリ:1GB
Bluetooth:バージョン4.1、Bluetooth Low Energy (BLE)対応
無線LAN:IEEE802.11b/g/n(2.4GHz)
電源定格:DC 5V/1.3A(Typ)
40ピンGPIO装備
そのため電源アダブタは2.5A程度以上のものを用意した方が良いと思います。
初期設定
1.初期状態
16GBのMicroSDカードは、既に挿さった状態です。
MicroSDカードにはRaspbian Jessieの英語バージョンがプリインストールされています。
また、3.5インチモニター用のドライバもプリインストールされています。
表示するためにはコマンド操作で切り替えてやる必要があります。
ラズパイは基本コンセントに電源を挿し込むと起動します。
付属のアダブタはスイッチ付きなのでコンセントに挿し込んでからスイッチをオンにすると起動します。
2.準備
初回起動後の設定には、大画面のモニター、USB接続のキーボードとマウスがあった方が楽だと思います。
ネット接続に関しては、WiFiが低速の場合に限り有線LANケーブルを用意しましょう。
準備ができたら電源を入れます。
3.初回起動後設定-WiFi設定
画面右上、メニューバーの中、Bluetoothの右の記号をクリックします。
自宅のWiFiのSSIDを選んで”Pre Shared key”にパスワードを入力します。
すぐにSSIDが表示されないときは、いったん”Turn off Wi-Fi”を選んだのち、再び”Turn On Wi-Fi”を選ぶと表示が正常化されます。
4.外付けHDMI接続のモニターへ切替
raspberry Piはコンポジット、HDMI、DSI(Display Serial Interface)の3種類のビデオ出力に対応しています。
DSI接続している3.5インチタッチモニターは小さいので外付けのHDMIに切り替えて大画面で操作した方が楽です。
ターミナルを起動して以下のように切り替えます。
HDMI接続を使用したい場合
##ターミナルを開いて以下を入力します。
cd LCD-show
./LCD-hdmi
3.5インチLCDを使用したい場合
##ターミナルを開いて以下を入力します。
cd LCD-show
./LCD35-show
5.インストール済raspbianのバージョン確認
プリインストールされているのがraspbianのjessieかstretchかで以後の初回設定が違うので、まず、どちらがインストールされているか確認します。
Jessieの場合は、8.xと表示され、Stretchの場合は、9.xと表示されます。
##ターミナルを開き以下の操作を実行します。
##方法1
##catコマンドで、/etc/debian_version ファイルを確認します。
cat /etc/debian_version
7.8
##方法2
##catコマンドで、/etc/issue ファイルを確認します。
cat /etc/issue
Raspbian GNU/Linux 7 \n \l
##方法3
##lsb_releaseコマンドでバージョンを確認できます。
##lsb_release パッケージが入っていない場合、インストールします。
sudo apt-get install lsb-release
##lsb_release コマンドを -a オプションを付けて実行すると、コードネームを含めて確認できます。
lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Debian
Description: Debian GNU/Linux 7.8 (wheezy)
Release: 7.8
Codename: wheezy
6.バージョン確認後の設定
全部で以下の4通りのパターンがあると思います。自分にあった方法を見つけて下さい。
A.Jessieがプリインストールされていた場合
A.1-JessieをStretchにアップグレードし、その後で日本語化する。
このやり方については、以下を参考にして下さい。
A.2-Jessieをそのまま使い続ける前提で、パッケージを最新のものにして日本語化する。
このやり方については、以下を参考にして下さい。
A.3-Stretchをインストールして日本語化する。
このやり方については次で説明します。
B.Stretchがプリインストールされていた場合
パッケージを最新のものに更新して日本語化する。
このやり方については、以下を参考にして下さい。
7.Stretchをインストールして日本語化する方法
こちらは2種類の方法が用意されています。
(1)メーカーが予め用意している3.5インチモニター用ドライバ組み込み済みのStretchのイメージファイルをダウンロードして、用意されているWin32DiskImagerアプリを利用して自分でMicroSDカードに焼く。
(2)Stretchをraspbianのホームページからダウンロードして、MicroSDカードにインストールし、メーカーが用意している3.5インチモニター用ドライバをダウンロードしてインストールする。
(2)については、通常のraspbianの利用方法なので参考サイトは山のようにあります。自分で実行してみて下さい。
(1)については、以下を参考にしてトライしてみてくだい。
メーカーが用意した最新のイメージファイルはこちらからダウンロード出来ます。
※ブログカードの左端近くをクリック出来ます。
イメージファイルをMicroSDに焼くアプリWin32DiskImageはこちらからダウンロード出来ます。
※ブログカードの左端近くをクリック出来ます。
なお、今回利用した3.5インチモニターはspotpear製ですが、こちらからspotpear製モニター用の各種ダウンロードが可能になっています。
※今回は特に必要ありません。
※ブログカードの左端近くをクリック出来ます。
実際に使ってみた感想
以前からラズパイを使ってみたかったのですが、何を揃えれば良いのかよくわかりませんでした。
今回購入した製品は私の場合、追加購入が必要なものは一切なく、手持ちのHDMI接続モニター、マウス、キーボードだけで、いきなりラズパイを楽しむことが出来ました。
ラズパイの周辺機器をひとつひとつ買い足していく楽しみもあると思いますが、何か不具合があった場合に原因追求も面倒です。
組み立て済なので組み立ての失敗による動作不良もないので本当に安心です。
※逆にこれからバラして中身をいじったりする時に壊さないか不安です。
総評
バラバラで揃えた場合のコストとこの完成品セットのコストを比較してみましたが、ほぼ一緒でした。
ハイレゾ対応のミュージックボックスを作ってみようかと思っています。
以上